【高給?成長?クビ?】大手外資系企業に転職して気付いた外資のいいところ

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皆さんこんにちは!都内で働いていると耳にしたことがある「外資系企業」。転職を考えたことがある人だと、一度は「外資系企業ってどんなところなんだろう。。」と思ったことがあるのではないでしょうか。今回は実際に複数の大手外資系企業に勤めたことのある筆者が、外資系企業に転職して良かったなと思う点を3つ紹介します。華やかなイメージからシビアなイメージまで様々聞いたことがあると思いますが、皆さんの外資系への転職を後押しできれば嬉しいです!

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この記事を書いたのは?(筆者の経歴)

現在30歳。新卒で日系大手損保に入社。大学時代からひっそりと培った英語力を武器に、その後外資系コンサルティングファーム(総合系)に転職し、IT/経営コンサル業務を経験。その後米系投資銀行へと異業種転職し、直近は欧州系投資銀行でチームマネージャーを務める。

今回はスタッフレベル~マネージャーレベル(ジュニア管理職)までを対象としています。そのため、一部のシニアマネージャー(部門長)レベルだと嚙み合わない部分があるかもしれません。あらかじめご了承ください。

外資系に転職してよかった3つのこと

徹底的な成果第一主義(怖くなった人は、3つ目を読んで!)

正直、もうこれに尽きます「給料が高い」「服装が自由」「面倒な飲み会が少ない」。。巷で耳にする外資系の良いところの大多数は、「結局、成果が1番大切だから」に集約されます。
例えば、「外資系は給料が高い」というメリット。「転職したら給与が150万上がった!!」と聞いたら「おぉ、すごいな。。」と思いますよね。日系企業と比べ、外資系は少ない人数で高い収益目標を達成する必要があるため、成果を出せる人を採用します。採用された人も、成果が出ないとすぐに業種によってはすぐにクビになってしまうので、何よりも成果を出すことに注力します。その結果、目標を達成したときの報酬は、人数が少ない分1人当たりへの割当金額が多くなります。そのため、外資系では日系より給与が高くなります。また、会社としても成果をあげてもらうために様々な仕組みがあります。例えば、成果を上げることを阻害する仕組みは徹底的に排除します。無駄な社内会議や非効率な業務は正当な理由があれば変更、もしくはすぐさま廃止となります。また、収益をあげるために必要なネットワークや社内リソースは24時間アクセス可能となります。これは、成果を上げるために必要不可欠な仕組みです。以下の実例を見れば、日系企業と大きく違うことがわかると思います。

ある夕方の日系化粧品メーカーでのお話

どうやら、中国ではうちのラグジュアリー化粧水『KOUKYU』が大ヒットしているようだ。近々日本でもヒットするかもしれない。君!なぜ中国で流行っているかの確認とどうすれば日本でもこれがヒットするかを至急検討してくれ!

えぇ。。何から手を付ければいいんだろう。。とりあえず中国支社から『KOKYU』の情報をもらわないと。。日本でヒットさせるのか。。こんな一本15,000円の化粧水なんて日本で流行るのかな。。中国支社はあまり協力してくれないと言うし、英語もなぁ。。

え、資料!?中国語の製品企画書があるのでそれを読んで!それと、流行ったのは中国の超富裕層に美容ブームが到来していたので、その人達向けに限定販売しただけよ。日本ではそんなブームないので流行らないと思うけど。じゃあ私は忙しいので!!

えぇ中国語!?なんで日本語ないんだよ。。部内で中国語できる人なんて一人もいないよ。。それに、流行らせ方だってこれじゃあ何も考えられないよ。どうしよう。。

君!部長が本件で早急に進捗を聞きたいとのことだ!明日一番に日本語で部長にもわかりやすく商品の詳細と、マーケティングプランをプレゼンだ!では、私は接待があるので失礼!

・・・・、飲みに行ってから考えよう。。まだ時間はあるし。。

~ある深夜の外資系コンサルでのお話~

マネージャー。アメリカ本社で大きな収益を上げたと噂のマーケティング改革の戦略立案ですが、日本のA社に頭出ししてみたところ大変な興味をお持ちで。今週末までに提案に持っていこうと思います。同じような提案を他社も検討しているようなので、すぐに動きたいですね。

数億の案件規模になりそうね、いいわ。よし、一旦アメリカのプロジェクトチームとこれから会議をして、プロジェクトの詳細とどのようなストーリーで客にプレゼンしたかすぐに聞こう。それとこれは多分香港支社も気になりそうなので、彼らもインバイトしましょうか。

。。。えぇ、おっしゃる通りよ。これはxxxxが肝になって、xxxxxが勝負を分けるポイントになると思う。うちで作った資料を社内のドキュメンテーションチームにすぐに日本語訳してもらうわ。明日の日本時間朝までに資料を送る。そのままお客さんへのプレゼン資料に使えるはず。あと、アメリカでこのプロジェクトを成功させたメンバーからもプレゼンさせたほうが日本のお客さんには刺さるかもしれないわね。うちの日本語ができる中堅クラスをすぐに東京に出張させるわ。この案件が東京でも取れれば、アメリカ本社内でも話題になる。私たちも一枚噛ませてもらえるのはありがたい。
細かいところで気になるところがあればいつでも携帯に電話かけて。最近は朝方まで色々あるのでいつでも出られると思う。

素晴らしいわ、ありがとう。本当に助かる。香港からも、もしよかったら一人プロジェクトメンバーを派遣するのはどうかしら?東京でのこのプロジェクトのノウハウを直接入手できるいい機会だと思うんだけど。

本当にありがとう。ぜひ我々からも一人マネージャークラスを派遣させてもらいたい。本件、すでに香港の大口顧客が食いついてきている。その時には日本からもぜひ応援をお願いしたい。

もちろんよ。それじゃあ、必ずこの案件取りましょう!

上記を見ると、どちらが成果を上げやすい環境なのかは一目瞭然ですね。また、これに加え、成果を上げるために支障がないものは問題視されない場合が多いです。例えば、服装や飲み会。お客さんが気にしない場合や、そもそもお客さんに会わないロールの人はラフな服装の場合が多いです。また、日系企業でまだまだ存在する「行きたくないけどほぼ強制参加の社内飲み会」はないです。他には、業務効率をあげるために必要なものはほとんど支給されます。高スペックなPCや外付けモニターは勿論、立ちながら仕事ができるようなスタンディングデスクや電話や会議に歩きながら参加できるような無線ヘッドホンなども支給されたことがあります。

自分が目にした例だと、既に成果が出ていて今もなお大型収益案件を追っているメンバーに対して、それ以外の業務を全て他のメンバーに渡すことを許可したマネージャーがいたぞ。まさに成果至上主義だな。逆に言うと、成果を出せないと本当に苦しいぞ!会議で自分が正しいと思うことを発言しても「成果出てから言えよ。。」という顔をされることもあるし、何より成果が出てるときに手にできた「自由」がなくなるのが辛い。だからこそ、成果をコンスタントに出せるよう大切な飲み会を選んで行くことや、苦しいチームメンバーへの配慮を忘れてはいけないな!

転職に抵抗感がなくなる

外資系に転職すると、次にまた転職することに抵抗感がなくなります。理由はとっても単純。外資系では、2-3年で転職をすることが普通だからです。わかりやすいイメージで言うと、プロ野球選手やプロサッカー選手に近いかもしれません。例えば、

あなたは下部リーグから順調にステップアップしたJリーグの選手です。メキメキと頭角を表していたある時、イギリスの強豪チームから、あなたをスタメン候補としてスカウトしたいという申し出がありました。あなたは以前から「世界でも通用するプレーヤーになりたい」「もっと給料が欲しい」「今はもっと厳しい環境で成長したい」と思っていました。勿論今のチームに愛着はあるものの、成果次第ではイギリスのサッカーチームはものすごい金額のオファーとなります。また、更なる上位クラブのステップアップも目指せそうです。

こんなとき、皆さんならどうしますか?多くの場合、迷うことなくチームを移籍するのではないでしょうか。上記は、外資系で働くうえで考えることに非常に近いです。例えばまず、年一回「来年はこの条件で、この役職で、こういったロールで雇用するので、それで問題ないか」といった面談が必ずあります。中途面接時でも、「オファーレター」といってこういった内容が明記されている書類が必ず通知されます。こういった環境に数年身を置くと、自分の仕事をロールや役職ベースで考えるよう思考が変わります。そのため、自分のロールが希望ではない場合や役職を上げたい場合、転職が第一候補として挙がってくるのです。
また、外資系で転職が一般的なことに一役買っているのは、ヘッドハンターの存在です。これもスポーツ選手とよく似ていますが、ヘッドハンティング会社は常に優秀な外資系企業の社員とのネットワークを作っています。なぜなら、優秀な外資系社員は高額な報酬で転職活動に成功する可能性が高く、結果としてヘッドハンターの給料が高くなるからです。また、企業側も急な欠員や増員の場合でも基本的には中途採用でその枠を埋めます。そのため、「採用したい」と「転職したい」の需要が堅調であり、転職マーケットは常に賑わっています。優秀な外資系社員には常に他社の求人がメールや電話で届くため、常にそれを見ながら翌年や今後のキャリアを考えていくことになります。「お、この企業のこのポジションついに空いたか。ちょっとヘッドハンターに連絡取ろう」ということが気軽にできたりと、働くモチベーションにもなります。最近は外資系企業も優秀な社員を社内に留めようと必死になっています。転職を通達すると、転職先の給与や役職と同じになるよう現職の報酬が上がることがあります。(これをよく「カウンターオファー」といいます。)勿論、これは現職で評価が高い社員に対して行われるものではありますが、その前提の「転職」に全く抵抗感がなくなるのは外資系で働く一つのメリットではないでしょうか。

よく「外資系は昇進のスピードが早いってホント?」と聞かれることがあります。これは一定事実だと思いますが、それは一つに、転職が普通の事だからだと思います。現時点で昇進の枠が埋まっていたとしても、数カ月から数年もすれば誰かは辞めることが多いので、すぐにその枠が開くことになります。勿論、その枠は外部の中途採用者とも争うことになるのであくまで実力があって相応のスキルがある前提にはなります。しかし、内部の方がアピールがしやすいので内部から昇進できる場合も多いです。やはり転職が普通なことというのはメリットですね。

特に外資系コンサルや外資系金融は、本当に2~3年で辞めてしまう人も多い印象だ。私自身も「もっと部下のマネジメント経験が欲しいし、給与を上げたい」と思って転職マーケットをよく眺めていたことが米系投資銀行から転職するきっかけだったぞ。私たちの業界はスポーツ選手に例えられるし、実際他社の優秀な社員の情報はヘッドハンター経由でよく聞く。ヘッドハンターからよく連絡が来るようになったら、自分の名前がマーケットに知れ渡ってきたなと自信に思ってもいいかもしれないな!

やっぱり成長できる

自分自身が日系企業にいた頃と比較すると、やはり広範囲に成長できたなと感じることが多いです。前述の通り、外資系では結局は「実績が出せていれば天国、さもなくば地獄」といった側面はどうしてもあります。ただ、実力主義と言っても正直知識やスキルにそこまで差があるわけではないです(一部のスーパーエースを除く)。そのため、皆必死に自分が得意な分野や自分が価値を出しやすい分野を探します。自分が目にしたことがある例だと、こんなことがありました。

・暗算が全くできないくらい数字が苦手だったが、社内の色々な人とネットワーキングすることが得意だった。自分の代わりに数字に強い人を探してきて、自分は情報のまとめ役に集中。見事プロジェクトを期限より大幅前倒しで成功させた。
・コミュニケーションを取るのが本当に下手だったが、人よりも論理的にモノを考えられる癖が染みついていた。自分が得意なことで成果を上げようと、プログラミング言語を学び社内の手作業の業務をほぼ全て自動化させた。結果、マネージャーに昇進
・正直特筆するようなスキルや知識がなく、英語も読み書きしかできなかった。視点を変え、あえて自分の日本語力をロンドン本社に売り込んだ。現地在住の日本企業との交渉を全て自分が日本語で取り仕切り、結果本社からジャパン・デスクのマネージャーとしてスカウトされた。
・一番自信があったのが体力だったので、あえて完全夜型の生活にし、ニューヨークにいる直属マネージャーと同じ生活リズムに変更。結果、「ニューヨーク時間でもアジアの最新情報をいつでも聞ける日本人」として米国内で話題になり、人よりも早くマネージャーに昇進

どれも共通するのは、「自分が他人に負けない価値は何で、どうすれば生き残って上がっていけるのか」ということを考えた結果、ということだと思います。日系企業だと、課長クラスまでは横並びで昇進ということが未だに多く、こういったことを日々考えることは少ないのではないでしょうか。外資系だと、入社したアナリスト(新卒レベル)から社長に至るまでほぼ全員がこういったことを無意識に考えています。そういったことが好きだからではなく、「あいつは価値をきちんと出している」と上司に判断してもらえないと本当に悲惨な結果になってしまうことを知っているからです。ボーナスが全くでない時も勿論あるし、金融やコンサルだとクビになることも本当にあります。では、ポイントとなるのは『どうすれば人に負けない武器がわかるのか』ということですよね。これは逆説的ですが、『自分が勝てない分野を理解すること』だと思います。外資系には本当に色々なタイプの人がいるので、自分が勝ちにくい分野は非常によく見えます。自分がこれまで会社で会ったことがある人だと、

・元『東大王』出演者で数学オリンピック金メダル
・元将棋の女流棋士
・小学校から自分でアメリカに留学し、国連世界大会で特別賞受賞
・フランスの現代美術館に絵が寄贈されたことがあるデザイナー
・本当はあまり知識がないのに、並外れた頭の回転の早さと話術を武器に専門家であるお客さんを終始化かしきった最年少パートナー昇進のコンサル
・誰よりもお酒に強く、飲み会にだけお客さんから指名が入るくらい接待が得意な新卒アナリスト

こんな人がいました。つまり、「この分野はあの人が強いから、勝てないな。。」と思えたり、「あの人はこの分野がものすごい強いが、逆にこの分野は自分でもできそうだな」など、自然と自分の価値と生き筋を考えやすいです。このように「生き残るために必死にやってたら、気付いたら成長していた」と思うことが非常に多いのも外資系の1つの特徴です。

自分が得意な分野をきちんと見極められれば、実績も当然出しやすい。そのため、「きつい時もあるが実は精神的に非常に楽」という人も外資系では多い。マネージャーの評価軸の中でも、『部下の成績や成長具合を定量的に示すこと』は他の評価軸と比べとても比重が多い。「この子はどの分野が得意なのか」「どんなプロジェクトなら価値が出しやすいのか」といったことは普段だけでなく、面接をしながらであっても考えることが多いぞ!

最後に

外資系は自分に自信がある人が多く、そういった人は勿論うまくいくことも多いです。しかし、「自分が持っている専門性を、どうやって伸ばしていこう」と思う人だったり、「自分は仕事に何を求めていて、どうやって成長していこうか」と考えている人にもおすすめ!ぜひ、転職を考えるときの1つの参考にしてくださいね!

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